概要
ChemDB
化合物データを中心とした研究情報の管理を行うためのモジュールのセットがChemDBです。これらのモジュール群を組み合わせることにより、化合物を中心とした研究情報を効率的に管理・共有することができます。
化合物モジュール | 構造情報をはじめ、物性などのデータ管理 |
描画ツール | 構造式を利用するための描画ツール |
在庫品モジュール | 化合物モジュールに登録された情報と連携することにより、自社合成化合物と購入試薬の在庫管理を実現 |
アッセイモジュール | IC50・EC50の算出機能を備えたグラフ描画、化合物情報をキーとしたSAR表示に対応 |
化合物モジュール
構造式検索に対応しており、各種研究情報と組み合わせたデータ管理を行うことで、日常の研究業務で使用する試薬カタログのデータ管理はもちろん、研究対象物である医薬品・製品候補化合物に関するデータ管理など幅広い用途に対応します。
関連情報と連携したデータ管理
さまざまな研究関連情報の基本となる化合物データを、アッセイ・試薬在庫・E-ノートブック・プロジェクトなどの他モジュールで管理しているデータと連携することができます。
こうした仕組みを備えることにより、効果的な研究データ管理環境を構築することができます。
化合物情報の特性に合わせた検索
化合物情報は、単なるテキストや数値のみならず、分子の構造情報まで含めたデータ管理を行う必要があります。CBISはこれらの情報を組み合わせた効果的な検索を行うことができます。
有機塩データへの対応
有機塩化合物は主化合物と対イオンに分けて個別に管理します。
対イオンと組み合わせた管理を行った場合、1つの主化合物を重複して登録することとなるため、リソースを余分に消費してしまいます。CBISでは主化合物を対イオンと分けて管理することにより、データの効率的な管理と利用を実現しています。
SDファイルを用いたデータ登録
試薬カタログデータベースの構築・管理のマスターとしてSDファイルを利用可能です。
任意に設定したプロパティデータの取り込みにも対応しています。CBISに登録したデータは、更新用のSDファイルを読み取らせるだけで該当部分の追記・更新ができます。
SDファイルを用いたデータ登録の際に、関連情報を自動で生成することができます。例えばIUPAC名や化学式の生成、分子量の計算をCBISが行います。
SDファイル・Excelファイル形式でのデータ出力
SDファイル形式での出力はもちろん、Excelファイル形式での出力に対応していますので、発注試薬のリスト作成や実験ノートなどに添付するデータの作成を省力化できます。
Excelファイル形式でリストを出力する際には、構造式をGIF形式の画像に変換して埋め込むことができます。また、Chemistry 4-D DrawのOLE2オブジェクト形式として埋め込むことで、Excelファイル上の構造式を直接編集することもできます。
描画ツール
Chemistry 4-D Draw (Chem4D)
Chem4DX
在庫品モジュール
化合物モジュールに登録されている化合物の在庫情報をロット単位・容器単位で管理します。自社合成化合物に加えて購入試薬の在庫管理にも利用できます。アッセイモジュールやE-ノートブックモジュールと連携させることでロットごとの合成記録や分析結果を参照することができます。
ウィザードによる在庫操作
在庫操作ログ
階層化管理
保管場所やプロジェクトなど化合物在庫がもつさまざまな属性によって在庫を管理することができます。
そのためユーザごとに利用可能な保管場所や所属プロジェクトに対応した化合物在庫だけを表示することができます。
また保管場所をツリー表示させることで各保管場所に存在する化合物在庫を簡単に閲覧することができます。
周辺機器との連携(注)
化合物在庫の容器IDの入力にバーコードリーダやRFIDリーダを、重量の入力に電子天秤を利用することができます。ユーザのデータ入力を省力化したり誤入力を減らすことができます。
(注)連携可能な機器についてはお問合せ下さい。
アッセイモジュール
化合物とターゲットのアッセイ条件やその結果を管理します。登録する化合物データは、化合物モジュールに存在するカタログのほか、在庫品モジュールで登録される実際の化合物のロットなどを指定します。他方、ターゲットとなるものにはそのアッセイ系に合わせて細胞やタンパク質などを指定することができます。細胞を指定した場合、細胞株モジュールにて継代の履歴などの情報を参照できます。
化合物 | ターゲット | 測定条件 | 結果 | 付帯情報 |
---|---|---|---|---|
カタログ番号 ロット番号 |
細胞 タンパク質 |
温度 時間 濃度 |
測定値 計算値(IC50・EC50) |
文献ファイル 結果ファイル コメント |
測定系をCBISに登録後、結果のみをExcelファイルなどで一括登録することで作業を軽減できます。
グラフ描画
アッセイモジュールにはグラフ描画機能が搭載されているため、複数の化合物濃度についての結果値をプロットできます。またIC50・EC50を自動で算出する機能があります。ユーザが計算したIC50・EC50の登録も可能です。
濃度依存の結果値以外にも時間依存のHPLCクロマトグラムやMASSチャート、横軸に化学シフトをプロットした1次元NMRチャートの登録に対応可能です。
SAR表示
縦に化合物、横にターゲットや測定条件を組み合わせてアッセイ結果を集計したSARテーブル形式による表示が可能です。同一化合物で有意なターゲットや測定条件あるいは同一ターゲットや測定条件における有意な化合物を容易に発見できます。また網羅的な表示であるため、今後の実験条件の策定が容易になります。
このSAR表示から直接SDファイルへの書き出しが可能で、実験結果を他のソフトで解析することも可能です。