概要
HTS
HTSモジュール
網羅的に目的化合物の探索を行う1次スクリーニングの実験管理と、目的化合物の活性値を求める2次スクリーニングの実験管理を対象とするモジュールです。このモジュールでは、化合物モジュールや在庫品モジュールにてスクリーニング対象とする化合物を選択してHTS用のプレート情報を作成することができます。また、作成したプレート情報をもとにして自動分注機に読み込み可能なファイルを出力できます。こうして作成したアッセイプレートを用いて細胞やタンパク質などをターゲットとしたHTSを行った結果は、このモジュールに読み込んで解析を行うことができます。このように、このモジュールでは一連のHTS業務に合わせたデータ管理が可能です。
プレート管理
各Wellの内容量を管理していますので、マザープレートの各Wellからドータープレートを新規に作成する際に、マザープレートのWellについての残量を確認することができます。また、HTSモジュールのプレート情報では、どのマザープレートのWellから分注されたのかを確認できます。プレート情報はファイルに書き出して、分注機に読み込ませることができます。
活性化合物探索
スクリーニング対象となった化合物の濃度を複数点とったプレートを作成して、HTSを実施します。得られた結果値のネガティブ、ポジティブコントロール値から閾値を算出し、これを元に有効な化合物を検出することができます。検出した化合物をリストに出力することで、2次スクリーニングの濃度勾配プレートの作成に利用することができます。
プレート精度管理
一連のHTSが複数のプレートにわたる場合、プレート間での差異が許容内であるかを評価する必要があります。HTSモジュールでは、プレート間のネガティブコントロール、ポジティブコントロールの平均値・標準偏差・Z-factorを用いてプレート間の差異を評価することができます。
濃度勾配プレート作成
濃度勾配を設定したプレートを作成するためのテンプレートがあらかじめ用意されています。基準とするテンプレートを選択した後に、化合物リストを読み込ませて希釈倍率を指定するだけで、濃度勾配用プレート情報を簡単に作成できます。
高度なグラフ描画機能
HTSモジュールでのグラフ描画にはアッセイモジュールにはない機能が追加されています。グラフのフィッティングカーブを描く際、上限値や下限値を任意に指定できます。近似曲線から乖離した結果をフィッティングから除外することもでき、その際にはIC50・EC50の値を自動的に再計算します。また、これらの値にはユーザー側で計算した値を代入することもできます。
柔軟な演算機構
SQL構文・SQL関数・演算子などを利用することにより、ユーザーが演算条件を任意に設定することができます。また演算対象はプレート単位、ウェル単位など任意に設定ですることができます。結果の求め方が多様に存在する環境、あるいは多種の演算式を用いて結果を評価する環境などで威力を発揮します。
アッセイモジュールとの統合
濃度勾配によるHTSの結果算出されたIC50・EC50の値は、アッセイモジュールで表示させることができます。これにより、マニュアルアッセイ・HTSを問わず、SARテーブル表示による解析などが可能になります。
統合的なHTS実施環境
過去のHTS実施結果とCBISの他のモジュールからの情報より、不足している測定・検証系をSARテーブルで探し出して、次の実験に向けた計画を立案して分注機ならびにプレートリーダへの入力ファイルを作成することができます。その入力ファイルにより行われたHTS結果を再びCBISに読み込ませて、結果を蓄積します。
このように、CBISを用いることで、循環的で統括的なHTS実施環境を構築できます。分注機・プレートリーダへの入力ファイルはテキストファイルに限定されますが、各種フォーマットに合わせた調整が可能です。