概要
infiniSee は、無限に近いサイズの化学空間(ケミカルスペース)の中から目的分子を見つけることができます。クエリー分子あるいはテンプレート構造を指定して、ビルディングブロックと化学反応ルールからなるケミカルスペースあるいは既存の化合物ライブラリーの中より、類似の分子構造を高速に検索します。
infiniSee は以下のような機能を持っています。
◯ 膨大なケミカルスペースから超高速検索
◯ スキャフォールドホッピング(Scaffold Hopping)された興味深い化合物を探索
◯ フィンガープリントによる類似性は低いが関連する分子の発見
◯ 合成可能あるいは購入可能な構造を提案
infiniSee のコア計算には、FTrees による類似性の評価が使用されています。infiniSee は、構造的には異なるがファーマコフォアにより類似している構造を探索できます。infiniSee は、明らかな類似構造とは異なる、最も興味深い目的分子を検索できるという利点があります。
infiniSee の探索アルゴリズム
infiniSee はバーチャル化合物群の中から、目的分子を検索するアルゴリズムとして、同社の FTrees アルゴリズムを採用しています。FTreesは、化合物をドナー性/アクセプター性/疎水性等の化学的特徴とその繋がりをもつ Feature Tree に変換し、その Feature Tree を再現するようにビルディングブロック(フラグメント構造)を組み合わせて infiniSee 内で化合物構築をします。組み合わせには品質の高い化学反応ルールが用いられており、高い合成確率を持つ構造がヒットします。infiniSee は、既存の化合物ライブラリーの中からクエリ構造に類似した Feature Tree を持つ構造を検索することもできます。
infiniSee メイン画面
ケミカルスペース
数百億を超える分子群の中から、目的分子を検索することは容易ではありません。inifiniSeeは、ビルディングブロックの組み合わせによって得られるバーチャル化合物群の中より、FTrees アルゴリズムにより高速に目的分子を得ることができます。
購入可能あるいは合成可能なバーチャル化合物を得るためのフラグメントスペースとして、Enamine社のREAL Space、WuXi LabNetwork社のGalaXi、Chemspace社のFreedom Space、eMolecules社のEXplore、OTAVA chemicals社のCHEMriya、BioSolveIT社のKnowledgeSpaceを利用可能です。詳細はこちらをご参照ください。
2つの検索アルゴリズム
FTreesを用いた検索の他に、より高速なフィンガープリントによる検索も可能です。フィンガープリントとして実績のあるECFP4を使用できます。フィンガープリントを用いた検索を行うことで、クエリー構造に近傍の分子構造を発見できます。
使用例1 ケミカルスペースにおける SAR 調査
- 1.活性化合物をクエリー分子として読み込む
- 2.商用化合物ベンダーのケミカルスペース(Enamine REALSpace など)を探索範囲として読み込む
- 3.ヒットした合成可能な化合物を注文
- 4.1.5ヶ月程度で試験用の化合物を受けとる
使用例2 バーチャルスクリーニング
- 1.文献等で興味深い化合物を見つける
- 2.社内化合物ライブラリーあるいは、任意の化合物ライブラリーを探索範囲として読み込む
- 3.同様のファーマコフォアを持つ、構造的に類似していない構造をヒットさせる(スキャフォールドホッピング)
- 4.プロジェクトの予想外の新しいアイディアに触発されます
infiniSee を導入する5つのポイント
- ✓ infiniSeeは、無限に近いサイズのケミカルスペースを処理できる唯一のツールです。
- ✓ infiniSeeによる類似構造検索は、スキャフォールドホッピングに最適です。
- ✓ infiniSeeは、超高速です。
(例:Enamine社が取り扱う300億以上の購入可能なバーチャル化合物の中から数分で興味深い分子を検索) - ✓ infiniSeeのグラフィカルインターフェイスは、初心者とエキスパートのどちらにとっても直感的です。
- ✓ infiniSeeはブラックボックスではありません。結果の視覚化することで、今後の意思決定を支援します。