ケーススタディ
GENEVESTIGATORを使った幹細胞特異的遺伝子の同定
GENEVESTIGATORは遺伝子発現データの検索エンジンです。数千の遺伝子発現データを同時に検索することで特異的な発現プロファイルを持つ遺伝子(例えば、標的遺伝子やバイオマーカー)を同定できます。このケーススタディでは、1,400以上の組織や細胞腫、細胞株と比較して幹細胞で最も特異的に発現している遺伝子を検索します。46個の異なる転写産物が見つかり、そのうちのいくつかは幹細胞研究でよく知られた遺伝子でしたが、他の多くの遺伝子はこれまで幹細胞と関連があるとは考えられていないものでした。興味深いことに、転写産物のリストにはタンパク質に翻訳される遺伝子だけでなくlncRNAのような非翻訳RNAも含まれていました。このケーススタディにより、GENEVESTIGATORを使ってある細胞腫に特異的な遺伝子を効果的に同定して、それらの遺伝子の刺激に対する応答を示します。また、関連のある実験条件で注目する遺伝子と共発現するほかの遺伝子を同定する方法も示します。
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炎症性大腸炎で特異的に発現変動する遺伝子
炎症性大腸炎(IBD)は異なるグループからなる再発性あるいは慢性で長期の胃腸の炎症性疾患です。2つの主なIBDはクローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)として知られています。この研究では、GENEVESTIGATORを使って3,000以上の他の実験条件や疾患と比較してCDとUCにおいて特異的に発現している遺伝子を同定しました。最も特異的に発現が調節されている遺伝子を選択して、それらの遺伝子が疾患や組織ごとにどのように発現が調節されているか明らかにしました。この研究により、既存の関連遺伝子を確認するだけでなく、これまでIBDに応答して発現が調節されていると認識されていなかった新たな遺伝子を発見しました。
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【New】 慢性閉塞性肺疾患の患者の肺における遺伝子発現調節
GENEVESTIGATORは、マイクロアレイやRNA-seqの数多くの遺伝子発現データを一括して解析する強力なツールです。この解析を行った時点で、GENEVESTIGATORのデータベースはヒト、マウス、ラット由来の120,000を超えるマイクロアレイのデータを収載していました。それらのデータは専門家によってキュレーションされ、品質管理基準を満たし、正規化されています。いくつかの大学および企業との共同研究のおかげで、肺疾患、特に慢性閉塞性肺疾患、喫煙、特発性肺線維症、肺動脈高血圧症の非常に豊富なコンテンツがデータベースに含まれます。この事例では、慢性閉塞性肺疾患の患者の肺組織で特異的に発現が上昇している遺伝子を探索しています。GENEVESTIGATORを使って、喫煙している集団での慢性閉塞性肺疾患に関連する候補遺伝子を同定しました。いくつかの遺伝子は既に疾患の発症に関連すると知られていますが、他のいくつかの遺伝子は関連が論文で発表されていませんでした。ヒトのマイクロアレイの結果は、続けてマウスのデータで確認されました。特定の疾患に特異的な遺伝子を同定し他の生物種で結果を確認するために、GENEVESTIGATORをどのように操作するかの操作手順を示します。
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【New】 神経線維腫症2型の標的と治療法の探索
神経線維腫症2型は希少遺伝性疾患であり、内耳神経の近くに良性腫瘍を引き起こします。一般的な症状は難聴と平衡感覚異常であり、どちらも患者のQOLに大きな影響を及ぼします。この研究では、GENEVESTIGATORを使ってこの疾患での遺伝子発現調節を他のがん種と比較して、この疾患で特異的に調節される遺伝子を同定しました。解析の時点で神経線維腫症2型の遺伝子発現解析はほとんど論文になっていなかったにもかかわらず、遺伝子発現のレベルで神経線維腫症2型は乳がんとerbB2陽性のがんに最も似ていることが分かりました。いくつかの遺伝子は神経線維腫症2型で特異的かつ大きく発現が上昇していることも分かりました。これにより治療的介入の新たな道が開かれました。
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PCSK9遺伝子についての解析事例
プロプロテイン変換酵素サブチリジン/ケキシン9型(PCSK9)は血漿中のコレステロールの恒常性の調節に対して極めて重要な酵素です。PCSK9は低比重リポタンパク質(LDL)受容体パスウェイおよび肝臓でのLDLの分解の天然阻害剤として働きます。GENEVESTIGATORを使った詳細な解析によりPCSK9の発現は栄養状態およびスタチン治療により直接間接の両方で調節されていることが確かめられました。さらに、PCSK9の恒常性は炎症性大腸炎や消化管癌のような消化管の疾患で変動しています。
脂肪酸代謝に関連するいくつかの遺伝子が主な共発現する遺伝子として確認されました。最後に、我々の解析結果はPCSK9が気管支上皮細胞で高発現しておりこの組織で主要な役割を果たしている可能性があることを示しています。
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デュピルマブの新規適応症についての解析事例
IL-4Rαに対するモノクローナル抗体で阻害剤として働くデュピルマブの発現パターンを解析しました。デュピルマブは現在、アトピー性皮膚炎と喘息の治療のための臨床試験が行われています。この発現パターンを幅広い疾患に由来する3,230のキュレーションされた発現プロファイルと比較しました。3つの免疫抑制性のモノクローナル抗体、ブロダルマブ、エタネルセプト、インフリキシマブがデュピルマブの発現パターンと最もよく似たパターンをもつものとして特定されました。これらの薬は様々な自己免疫疾患に対して有効であることが知られています。逆の手法として、デュピルマブの発現パターンと逆のパターンを示す実験条件を検索しました。主要適応症を確認できただけでなく、デュピルマブが類似の発現パターンをもたらす他のいくつかの疾患も特定できました。にきび、乾癬、酒さ、皮膚移植、関節リウマチ、炎症性大腸炎です。
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