Direct Force Field

適用事例

DFFとSciMAPSによる二次電池用電解質の検討

有機電解質を利用したリチウムイオン二次電池は携帯電話、パソコンから電気自動車までさまざまな用途で実用化されています。電池を構成する有機液体電解質については、様々な化合物を組み合わせることで、軽量化、高安全性、高耐久性などを実現する電解質材料の開発が重要となっています。本稿では、電解質によく利用される有機低分子とLiTFSAの塩からなる系を構築し、密度、拡散定数を予測し、実験値と比較しました。また、動径分布関数より配位分布関数を求め配位状態の比較を行いました。詳細は下記pdfをご参照ください。

TEAM力場による熱伝導率計算

電子機器の小型化・高機能化により増大する発熱方向の制御、車載電子機器の動作温度の維持、排熱再利用による未利用エネルギーの削減などにおいて、材料による伝導熱の制御(サーマルマネージメント)は1つの課題となっています。原子の分布、官能基の配向等の原子・分子レベルでの挙動と熱伝導率の関係を詳細に調べられる分子シミュレーションによるアプローチは、ナノスケールの情報によるサーマルマネージメント材料の探索手法として利用されています。本稿ではとDirect Force Fieldの力場TEAMと材料設計支援プラットフォームSciMAPSの分子構築機能、熱伝導率計算機能を用いて、低分子、高分子、アモルファスと結晶の3つの観点から検討した事例を紹介します。詳細は下記pdfをご参照ください。

メタノール用力場の作成

Direct Force Field では、密度や蒸発熱を利用してVDWパラメータを自動作成する機能により、凝集系シミュレーションでも精度の高い計算ができるパラメータを手軽に作成できます。この機能は、 専門家がノウハウを使って数週間かかっていたVDWパラメータ作成を自動的に1、2日程度で作成できるようになり、 凝集系に対応したパラメータ作成をより身近なものにします。Valenceパラメータと電荷パラメータのフィッティングにはB3LYP/6-311G**の量子化学計算結果を用い、VDWパラメータのフィッティングには常温常圧下(温度: 298 K、圧力: 0.1 MPa)でのメタノールの密度と蒸発熱を用いました。
作成した力場パラメータは、分子構造、内部回転エネルギー障壁や基準振動はもちろんのこと、液体メタノールの平衡状態を精度良く予測しました。定温定圧(NPT)の分子動力学シミュレーションにより、液体メタノールの等圧膨張曲線を描くと下図のようになり、 Direct Force Field により自動的に得られたパラメータが密度の温度依存性を精度良く再現していることがわかります。

応用例
メタノールの等圧膨張曲線(密度vs.温度)のシミュレーションと実験値の比較:
実線は実験値、点はシミュレーションの結果を示します。

参考文献. Sun, H. Automatic Parameterization of van der Waals Forces-With Application on Prediction of Fluid Densities First Industrial Fluid Properties Simulation Challenge, 2002 Annual Meeting, AIChE.

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