構造構築
構造構築機能 ~ユーザの発想をさまざまな構築機能でモデル化~
分分子シミュレーションを行うには研究対象となる分子系のモデル化の成否が重要です。近年、シミュレーションの高速化に伴い、より現実系に近いモデル構築が必要になってきています。SciMAPSの構造構築機能は、基本構造構築機能、メソスケール・粗視化モデル構築機能、基本構造を複数組み合わせた複合構造構築機能、架橋構造やカーボンナノチューブを構築する特定構造構築機能の4つからなります。これらの機能を組み合わせることによって、研究対象にマッチした分子モデルを構築します。
基本構造構築
- □SKETCHAER
- 3Dスケッチおよび分子フラグメントによる分子構築。
- □Polymer Builder
- 重合度と繰り返し単位を指定することでホモ、ブロック、ランダムコポリマーを構築。タクチシチーの指定も可能。
- □Crystal Builder
- 空間群と部分座標を指定することで結晶構造を構築。
- □Surface Builder
- 構築した結晶構造を元にミラー面を指定することで表面構造を作成。
メソスケール・粗視化モデル構築
- □MESOSCALE BUILDER
- 粗視化分子を登録された粗視化粒子(ビーズ)と3Dスケッチを用いて構築。
- □ATOMESO CONVERTER
- 分子を構成する原子をビーズに対応付けることで、全原子モデルの分子を粗視化モデルに変換するツール。
- □MESOATOM CONVERTER
- 粗視化モデルを全原子モデルに変換するリバースマッピングの機能。粗視化モデルを構成する各ビーズに対応する全原子モデルのフラグメント構造を指定することで、粗視化モデルから全原子モデルへ変換。
- □MESOPHASE DPD BUILDER
- メソスケールの散逸粒子動力学用のモデル構築ツール。ランダム、ラメラ、レイヤー、ベシクル、パーティクル(複数のビーズの集合体)などの特定の構造からなる系の作成が可能。
複合構造構築
- □INTERFACE BUILDER
- 2つの結晶構造から界面のモデルを構築。
- □SURFACE DOCKER
- 表面モデル上でエネルギー的に安定な分子配座を探索しモデルを作成。
- □AMORPHOUS BUILDER
- National Technical University of AthensのDoros Theodorou教授とScienomics社の共同開発によるアルゴリズムCBMC(Configurational Bias Monte Carlo)法を採用した非晶構造構築プログラム。
複雑な分子鎖に対しても、現実に近い密度で自然なモデルを構築することが可能。
特定構造構築
- □CROSS-LINK BUILDER
- LiとStrachanらにより提案された多段階結合生成アプローチ1)と分子動力学計算を組み合わせた架橋構造構築プログラム。モノマーのみで構成されるアモルファス初期構造から、分子動力学計算を行いながら反応点が近づくと結合を生成させ、架橋構造を作成。
- □CARBON NANOTUBE BUILDER
- ナノチューブの構造を構築。キラリティ指定、直径の指定、3次元周期境界モデルにも対応。